はじめに

電子ドキュメントのディファクトスタンダードである「PDF (Portable Document Format)」を閲覧するAdobeの「Acrobat Reader」ですが、これもFreeBSD上でも利用することができます。

このページでは、FreeBSD上でAcrobat Readerを利用する方法について説明します。

kernelの再構築

Acrobat Readerは提供元のAdobeからバイナリ形式で配布されていますが、WindowsやLinux向けのバイナリは提供されているものの、FreeBSD向けのバイナリは提供されていません。
このため、FreeBSDでAcrobat Readerを利用するには、Linux向けのバイナリをFreeBSDのLinuxエミュレータ上で動作させる必要があります。

FreeBSDでLinuxエミュレータを利用するには、FreeBSDのkernelで提供されているLinuxエミュレータの機能を有効にします。
kernelコンフィグファイルに、以下の記述を追加してkernelの再構築を行ってください。

kernelコンフィグファイルへの追記
options    COMPAT_LINUX

kernelの再構築が完了したら、システムを再起動させてください。

尚、「Linuxエミュレータ」という名前はついているものの、上記のoptions指定を見ていただければご理解いただける通り、実際にはLinuxバイナリは「COMPAT_FREEBSD?」のようなバイナリ互換機構の上で動作します。
このため、ネイティブのLinux上で動作させるのに比べ、ほぼ同等のパフォーマンスでアプリケーションを利用することが可能です。

portsによるAcrobat Readerのインストール

さて、次にAcrobat Reader本体のインストールに移ります。
前項で述べたとおり、FreeBSDではAcrobat ReaderはLinuxエミュレータ上で動作しますが、インストール方法については通常のソフトウェアと同じくportsが用意されていますので、やはりインストールはportsを利用して行います。
portsの取得および展開方法については、「最新のportsを取得して展開する」を参照してください。

portsの展開が完了した後、下記手順でAcrobat Readerをmakeし、インストールします。

Acrobat Readerのビルド
$ cd /usr/ports/japanese/acroread
$ make config-recursive
$ make install clean

2008/08/31現在、最新版であるAcrobat Reader 8のportsは、「/usr/ports/japanese/acroread」ではなく「/usr/ports/japanese/acroread8」に格納されています。
Acrobat Reader 8を利用する場合には、以下の通りにしてください。

Acrobat Readerのビルド
$ cd /usr/ports/japanese/acroread8
$ make config-recursive
$ make install clean

Acrobat Readerをインストールする過程で、Linuxエミュレータが利用するLinux用バイナリ一式が、「/usr/compat/linux」以下にインストールされます。
GTK等、FreeBSD用のバイナリと重複するものもインストールされ、かなり勿体ないのですが、こればかりはどうにもなりませんので、諦めてください。

Acrobat Readerの実行

上記の手順でインストールしたAcrobat Readerを実行するには、以下のようにします。

Adobe Readerの実行
$ acroread

起動時のエラーの回避方法

Acrobat Readerがインストールされた環境によっては、起動時毎に「プラグイン「PPKLite.api」の読み込み中にエラーが発生しました。プラグインを初期化できません。」というエラーがポップアップされることがあります。

「PPKLite.api」は公開鍵の署名や暗号化に利用されるプラグインで、動作させるにはopenldapが必要になります。

暫定的な回避方法

とりあえずこれらの機能が不要な場合は、下記のようにして「PPKLite.api」を無効化させることにより、エラーのポップアップが表示されなくなります。

「PPKLite.api」のリネーム
$ cd /usr/local/Adobe/Acrobat7.0/JPN/Reader/intellinux/plug_ins/
$ mv PPKLite.api PPKLite.api.original


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