一般的な個人ユーザがADSLやFTTH等でインターネットに接続する場合、ISP側から割り当てられるグローバルIPアドレスはひとつですが、SOHOや小規模オフィス環境向けに、多くのISPでグローバルIPアドレスが8~16個程度割り当てられるサービス(主に法人向け)が提供されています。
このページでは、このようなグローバルIPアドレスが複数割り当てられるようなインターネット接続の設定方法について説明します。
「複数のIPアドレスが割り当てられる」といっても、接続機器や方法が従来のものから大幅に変わってしまうということはありません。
ただ一点違うところは、WAN側のインターフェースにはIPアドレスを割り当てず、LAN側のインターフェースにグローバルIPアドレスを割り当てる「IPアンナンバード」という方式を利用する点です。
以降、プロバイダから割り当てられたネットワークが「a.b.c.32/28」として話を進めます。
この場合、「a.b.c.32」がこのネットワーク全体を現すネットワークアドレス、「a.b.c.47」がブロードキャストアドレスになりますので、実質サーバに割り当てられるのは、「a.b.c.33」~「a.b.c.46」の14アドレスになります。
グローバルIPアドレスが複数割り当てられる場合のインターネット接続についても、従来の方法と同様にPPPoEを利用します。
従来のグローバルIPアドレスがひとつだけ割り当てられる場合と同じく、「/etc/ppp/ppp.conf」に以下のように接続プロファイルを追記します。
(従来のケースと違うのは「set ifaddr 0.0.0.0 0.0.0.0 255.255.255.255」が追記されていることのみです。)
ip_unnumbered-profile: set log Phase Chat LCP IPCP CCP tun command set speed sync set mru 1492 set mtu 1454 set ctsrts off set timeout 0 accept CHAP add default HISADDR set ifaddr 0.0.0.0 0.0.0.0 255.255.255.255 set authname xxxxxx@xxxxxx.xxx set authkey xxxxxxxx accept lqr enable lqr enable tcpmssfixup
「set authname xxxxxx@xxxxxx.xxx」および「set authkey xxxxxxxx」の箇所には、ISPから通知された接続IDおよび接続パスワードをそれぞれ設定してください。
上記の設定のみですと、ネットワーク側からネットワークアドレスである「a.b.c.32」のIPアドレスが割り当てられてしまいます。
ネットワークアドレスがIPアドレスとして割り振られるのは宜しくないため(正直なところ、あまり実害はないのかもしれませんが…)、下記の内容の「ppp.linkup」を追加し、割り当てられたIPアドレスが「a.b.c.33」に付け替えられるように設定します。
a.b.c.32: ! ifconfig tun0 a.b.c.33/net HISADDR add! default HISADDR
上記の設定が完了したら、pppを再起動させるか、システムを再起動させるかして設定した内容を有効にしてください。
システムの再起動後、「ifconfig」を利用してtun0にIPアドレスが正しく割り当てられているか確認してください。
$ ifconfig tun0: flags=8051<UP,POINTOPOINT,RUNNING,MULTICAST> mtu 1454 inet a.b.c.33 --> w.x.y.z netmask 0xfffffff0 Opened by PID xxx
上記のように、tun0に「a.b.c.33」がnetmask「0xfffffff0(=255.255.255.240)」割り当てられていればOKです。
上記の通り、PPPoEの設定が完了したら、今度はLAN側の設定です。
設定といっても、実際にはtun0に割り当てられたグローバルIPアドレスをLAN側のインターフェースに割り当てるだけです。
「/etc/rc.conf」を編集し、LAN側のインターフェース(下記の例ではfxp0)に、「a.b.c.33」を割り当ててください。
ifconfig_fxp0="inet a.b.c.33 netmask 255.255.255.240" ppp_enable="YES" ppp_nat="NO" ppp_profile="ip_unnumbered-profile" ppp_mode="ddial"
設定の完了後、システムを再起動すれば、IPアンナンバードの接続が有効になります。
・ [FreeBSD-users-jp 69396] Re: unnumbered PPPoE w/OCN ADSL IP8 again
・頂いたメッセージは管理者のチェックの後、公開されます。
・メッセージの公開を希望されない場合には、「このメッセージを非公開にする」にチェックを入れてください。
・管理者が不適切と判断したメッセージは公開しませんので、予めご了承ください。
まだ評価がありません |
表示できるメッセージはありません。