2017/11に秋葉原を彷徨っていると、イオシス路地裏店でLG G2 mini(LG-D620J)が4,980円で売られていました。
カスタムROMの中でも人気が高いLineage OSが公式にサポートしている端末なので、試しに購入。
G2 miniの主な仕様は以下の通りです。
SOC | Qualcomm Snapdragon 400 ARM Cortex-A7 1.2GHz 4コア |
RAM | 1GB |
ROM | 8GB |
OS | Android 4.4 (KitKat) |
画面 | 4.7inch IPS液晶 |
画面解像度 | 960 x 540(qHD) |
重量 | 121g |
持った第一印象は「とても軽い」です。
あと、画面の解像度が低いせいか、思いの外動作がキビキビしています。
これは意外と良い買い物だったかも。
それでは、早速Lineage OSを導入してみたいと思います。
Lineage OSの導入に必要なハードウェア、ソフトウェアは以下の通りです。
adbとかわからない人は、他のページで調べてください。
・adbコマンドが導入済みの作業用PC(Windows、Mac、Linux、何でも良い)
・microUSBケーブル(作業用PCとG2 miniの接続用、データ転送用ケーブル、充電用のケーブルは不可)
・microSDカード(OSなどのイメージの保存用)
・バイナリエディタ(Windowsならばxeditがおすすめ)
・root化ツール(Kingroot)
https://kingroot.net/
・カスタムリカバリー「TWRP(G2 mini用)」
https://androidfilehost.com/?fid=961840155545583625
・Lineage OSアーカイブ
https://download.lineageos.org/g2m
・opengappsアーカイブ(Google Playが必要な場合、G2 miniの場合はARM 32bit版を用意して下さい。)
http://opengapps.org/
一般的なLineageOS導入の流れは、
(1) bootloaderをunlockする。
(2) カスタムリカバリーを導入する。
(3) カスタムリカバリーを使って、LineageOS(とopengapps)を導入する。
です。
G2 miniでも、この流れに沿ってLineage OSを導入します。
G2 mini本体は、予め「開発者モード」にしておいて下さい。
また、Lineag OSの導入前に、「システムの更新」を利用して最新のファームウェアまで上げておくことをおすすめします。
のっけからつまずくのですが、G2 miniはASUSのZenfoneなどと違い、LGから公式のbootloaderのunlockツールは提供されていません。
このため、bootloaderのイメージを取得し、unlockの為にパッチを当てた上で、本体に書き戻す必要があります。
加えて、カスタムリカバリーを導入するのに必要なfastbootが使えない為、カスタムリカバリーを直接リカバリー領域に書き込む必要があります。
これらの作業をするには、root権限が必要になるため、まずはroot権限を取る作業からはじめます。
adb shellからsuが出来ればいいので、今回は手軽なKingrootを使います。root権限が取得できたら、作業用PCのコマンドラインから以下の通り入力して、ロックがかかっているbootloaderのイメージを取得します。
$ adb shell $ su $ cd /storage/external_SD $ dd if=/dev/block/platform/msm_sdcc.1/by-name/aboot of=./aboot.img
rootになっていない(suしていない)とpermission errorになるので注意して下さい。
これでmicroSDカードのルートディレクトリにaboot.imgの名前でbootloaderのイメージが保存されるので、これを作業用PCに持って来ます。
USBケーブル接続のMTP転送で直接持って来るか、microSDカード経由で作業用PCに持ってくればよいです。
取得したイメージをバイナリエディタで開き、以下のビットストリームの場所を探します。(このビットストリームは1箇所だけ存在します。)
20 00 EB 00 00 50 E3 E0 FF FF 0A
見つかったら、その後の4バイトを以下のように編集します。
20 00 EB 00 00 50 E3 E0 FF FF 0A DF FF FF EA
編集したバイナリに別の名前(aboot_modified.img)をつけて、スマートフォン内のmicroSDカードに転送します。
ついでに、Lineage OSのアーカイブとopengappsのアーカイブもまとめて転送しておきます。
$ adb push aboot_modified.img /storage/external_SD/ $ adb push recovery.img /storage/external_SD/ $ adb push [Lineage OSのアーカイブのファイル名] /storage/external_SD/ $ adb push [opengappsのアーカイブのファイル名] /storage/external_SD/
保存したbootloaderのイメージを以下の手順で書き戻す。
$ adb shell $ su $ cd /storage/external_SD $ dd if=./aboot_modified.img of=/dev/block/platform/msm_sdcc.1/by-name/aboot
rootになっていない(suしていない)とpermission errorになるので注意して下さい。
書き込みが完了したら、シェル内をexitで抜け、adb rebootで本体を再起動させます。
間違えずに書き込めていれば、スマホ本体は問題なく再起動する筈です。
続いて、カスタムリカバリー「TWRP」をG2 miniのリカバリー領域にインストールします。
$ adb shell $ su $ cd /storage/external_SD $ dd if=./recovery.img of=/dev/block/platform/msm_sdcc.1/by-name/recovery
書き込みが完了したら、リカバリーモードに入って、TWRPを起動させます。
リカバリーモードへの入り方は以下の通りです。
(1) スマホ本体の電源ボタンを長押しして本体の電源を切る。
(2) 電源が切れたら、電源ボタンと音量下ボタンを同時に押したままにして、スマホ本体の電源を入れる。
(3) LGのロゴ(電源投入直後に表示される動かない方)が表示されたら、一旦電源ボタンを音量下ボタンを0.5秒くらい離し、再び両方のボタンを押す。
上記手順がうまく行くと、「Factory data reset」画面になるので、電源ボタンと音量上下ボタンを操作して、YESを2回選択します。
「Factory Reset Processing...」の表示の後、TWRPが起動するので、以下の手順でLineage OSとopengappsをインストールします。
(1) Wipe→Advanced Wipeで、Micro SDcard以外のすべてにチェックを入れてWipeする。
(2) InstallでLineage OSのファイルを選択し、LineageOSをインストールする。
(3) 続けて、Installでopengappsのファイルを選択し、opengappsをインストールする。(Google Playが必要な場合)
(4) Reboot→Systemシステムをリセットする。
スマホが再起動し、LGの固定ロゴが出た後、○が弧の上を右から左に流れる画面が数分続きます。
5分程待つと、Lineage OSが起動します。
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【参考になった】 フツーのL-01Fでも使えますかね? (2022/06/19 Sun 15:28:25)
【まさにこれだ】 まだまだ使えるG2miniです。 更なるバージョンアップも期待します。 (2020/07/25 Sat 23:54:15)
【まさにこれだ】 Xperia/HTC以来の久しぶりのカスタムROMです。Kingrootでrootをとる方法が見当たらず、こちらにたどり着きました。できたらご教授ください。aboot.imgの書き換えを終えたところです。recovery.imgをPushせよとありますが、これは、zipから抽出したboot.imgを指すのでしょうか。よろしくお願いします。 (2018/08/30 Thu 22:50:29)
→ recovery.imgは、TWRPのアーカイブを展開した中に含まれています。