先日(2016/06下旬)、仕事帰りに秋葉原を回っていたら、PCNET秋葉原ジャンク通り店でNexterm RT-500っていうシンクライアントが売られていました。
ちょっとgoogle検索してみると、AMD Geode LX 800搭載のシンクライアントのようです。
12V出力の電源アダプターつきで500円だったので迷わす購入。
今回はこのハードウェアをハックしてみたいと思います。
いろいろ調べてみると、スペックは大体以下の通りでした。
AMD Geode LX 800(500MHz)+コンパニオンチップCS5536
Geode LXはNational SemiconductorのMediaGXがベースのi586クラスCPUで、はっきり言って非力なCPUです。
いろいろな人が試しているのを見る限り、イマドキのLinuxは使えないと考えたほうがよさそうです。
最近のLinuxは、x86版でもPAEがあるPentium 4世代以降(Pentium Mは除く)が対象ですし、そもそも今後x86版すら提供されるか怪しいです。
このデバイス、PCだと思って買うと多分がっかりします、そうではなくIoTデバイスだと思えばよいです。
GPIOがついていないRaspberry piだと思えばいいです。。
アダプタが12Vなので、車のシガーソケットから直接電源が取れますし、しかもx86なので、MIPSやARMな環境よりは取り回しが楽(な筈)。
どうです、夢が広がりましたか?
前述の通りLinuxでの運用が困難な為、BSD系のOSをインストールしてみます。
参考までに、Nexterm RT-500本体の電源を投入後、F1を押すことでBIOSメニューに入れます。
まず、FreeBSD、memstick版のFreeBSD 10.3-RELEASEをインストールしてみます。
が、普通にインストールしようとするとACPI関係でハングアップします。
pci0: <ACPI PCI bus> on pcib0
あたりでフリーズして先に進みません。
このため、起動メニューでACPIを無効してインストールします。
結果、無事にインストールすることができた。
インストール後、dmesgで確認すると、ドライバがあたっていないデバイスは2つあります。
pci0: <encrypt/decrypt, entertainment crypto> at device 1.2 (no driver attached) pci0: <multimedia, audio> at device 15.3 (no driver attached)
前者はGeode LX内蔵の乱数発生器とAES暗号化エンジン、後者はコンパニオンチップCS5536のオーディオのようです。
後者のドライバは古いけど以下の場所で配布されていました、FreeBSD 10.3-RELEASEで使うにはコードに手を入れる必要がありそうな雰囲気です。
→ http://fixunix.com/freebsd/540374-re-re-hardware-support-amd-geode-cs5536-audio.html
ちなみに、ACPIを無効にしているので、shutdown -p nowでは電源が切れません。
ちょっと実用的ではないかも知れません。
次にNetBSDを試してみます。
試したのはUSB版の7.0.1 i386版です。
特に問題なくインストールが完了しました。
ACPIはもちろんのこと、乱数発生器とAESエンジン、オーディオも認識されました。
さすがNetBSDです。
結論的には、FreeBSDよりもNetBSDのほうが取り回しが楽そうです。
NetBSDが動き、シリアルポートが1つ、USBポートが4つあるマシンなので、これらを使ってできることを考えると楽しいと思います。
ウェブサーバやメールサーバなら十分に動くと思いますし、NASとか無線LANアクセスポイントとか、プリンタサーバとかには比較的簡単できると思います。
USB接続のGPSユニットや、USBカメラとかを接続して車載してみても面白いかもしれないです。
MIPSの無線LANルーターをハックするよりはるかに難易度が低いので、小型サーバやIoTに興味がある方は購入してみてはどうでしょうか?
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