近所の図書館から「チェルノブイリの森」なる本を借り読んでいます。
「チェルノブイリ」というと、原発の事故後「放射能をもつ塵が吹きすさぶ死の荒野になっている」というイメージだったのですが、原発の周囲30kmは人間が立ち入らなくなったことにより、農耕や工業化などの「文明的な活動」が停止し、結果として野生の馬や鳥が自由を謳歌する野生の王国になっているだそうです。
無論、その自然は放射能に汚染されているのですが…
人間がいなくなったことによって、自然が自然らしい姿と取り戻すとは、なんとも滑稽です。
もちろん、事故の中心であった4号炉には、今でも半減期の長い放射性元素が多数存在しており、放射性物質が人間に害のない状態になるには、数万年〜かかるそうで、科学者は少なくとも1万年間、人間が近づかないよう対策を講ずるべきだ、といっているそうです。
一万年前というと、日本では縄文時代です。
一万年後の人は、この事故のことを覚えているのでしょうか、そして看板に書かれた警告を読むことができるのでしょうか?
なんとも、乾いた笑いが出る本でした。