今年最も売れたIT系商品といえば、iPhoneではなく、ネットブックと呼ばれる廉価ノートPCだったんじゃないかと思います。

ネットブックといえば、ASUSのEee PCが火付け役ですが、HP2133や一部のEeePCを除き、ほとんどの製品でAtomというIntelの省電力CPUが採用されています。

AtomはCore 2 Duo等のデスクトップ向けCPUと比べ、内部構造が簡単になっているため、製造コストが安く、また消費電力も低く、非常にエコなCPUです。
そのトレードオフとして、処理能力は既存のPC向けCPUに比べ、かなり劣っているのですが、インターネットを見たり、メールを書いたり、DVDを見たりする分には十分で、結果としてノートPCの出荷台数の20%を占めるまでになっています。

これだけ流行っているネットブックですが、実はIntelとMicrosoftからハードウェアに対する制約を受けているそうです。(液晶画面のサイズは1280×800まで、HDDは160GBまで、光学ドライブ非搭載など)
この制約を守れば、OEMはCPUやチップセット、OS(Windows XP)を廉価で提供して貰えるのですが、逆らうと卸価格の吊り上げや、部品を供給停止されたりするそうな。

IntelやMicrosoftにとっては、高価な自社製品(Core2系CPU、Windows Vista)のマーケットが侵食されるのを防いでいるつもりなのでしょうが、結果としてOEMが多様な製品を出すことを阻害しているわけで、なんとも…です。

結果的にユーザが一番損をしているのだと思いますが…あれ、この議論って、どこかで聞いた気が…

オペレータによる支配か、OEMの競争による製品(サービス)の多様化か、来年のネットブックの姿が、私たちに何らかの示唆を与えてくれるような気がします。


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