FDDやCD-ROMドライブがないPCでOSをインストールしたり、HDDレスのPCをシンクライアントとして利用する際、ネットワーク経由でのブートが必要になります。
ネットワークブートについては、IntelのNICで採用されているPXE(Preboot eXecution Environmentの略、「ピクシー」と読む)方式が広く利用されています。
このページでは、このPXEクライアントがネットワークブートするために必要な対向サーバの設定方法について説明します。
まずはじめに、配信サーバ上のtftpサービスを有効にします。
tftpはPXEクライアントがPXEブートイメージを取得するために利用するプロトコルで、FTPのサブセットのようなものです。
ただしFTPと違い認証機能がなく、サーバとクライアントの一対一の通信にのみ特化しています。
tftpサービスを有効にするには、「/etc/inetd.conf」内を記述を以下のように変更します。
# tftp dgram udp wait root /usr/libexec/tftpd tftpd -s /tftpboot
tftp dgram udp wait root /usr/libexec/tftpd tftpd -s /pxeboot
最後の「tftpd -s /pxeboot」の部分は、tftpサービスを提供する「tftpd」を起動させるためのコマンドです。
上記の例では、「/pxeboot」をtftpサービスのルートに指定しています。
(当然ながら、「/pxeboot」のディレクトリが既に存在している必要があります、存在しない場合は作成してください。)
上記の設定が完了後、下記のようにして「inetd」を再起動させるか、システムを再起動させて設定を有効にしてください。
$ kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid`
FreeBSDのバージョンのよっては、inetdがデフォルトで起動されていない場合があります。
その場合は「/etc/rc.conf」に以下の記述を追記し、システムを再起動させてください。
inetd_enable="YES"
次に、tftpサービス以下のフォルダ(上記の例では「/pxeboot」以下)に、PXEブートイメージを配置します。
PXEブートイメージについては、配信環境のOS(この場合はFreeBSD)と別のOSのものでも配置可能です。
各OSのマニュアルに従い、PXEブートイメージをコピーして配置してください。
尚、PXE経由でFreeBSDをインストールする方法については、「FreeBSDをPXE経由でインストールする」にまとめましたので、を参照してください。
最後に、PXEブートクライアントに対して、利用してよいIPアドレスやPXEブートイメージの場所等を通知するためにDHCP (BOOTP) の設定を行います。
DHCPサービスを提供するソフトウェアはいくつか存在します。
お好みに合わせて、ご利用になるDHCPサーバのアプリケーションをインストールしてください。
DHCPサーバをisc-dhcpで構築する場合は、「DHCPサーバを構築する (isc-dhcp)」を、
WIDE-DHCPで構築する場合は、「DHCPサーバを構築する (WIDE-DHCP)」をご参照ください。
isc-dhcpはpkgでコンパイル済みイメージを導入可能です。
WIDE-DHCPはportsから導入する必要があります。
あとは、PXEクライアントの設定を行うだけです。
PXEクライアントの設定は、BIOS等で行うのが一般的です、設定については、各ハードウェアのマニュアルをご参照ください。
・inetdそのものの有効化についての記述を追記。
・FreeBSD 10.3-RELEASEでの動作確認を元に記事を一部修正。
・既存のWIDE-DHCPでの構築方法に加え、isc-dhcpでの構築方法を追記。
・FreeBSD 8.4-RELEASEでの動作確認を元に記事を一部修正。
・文章の内容全般を見直し再構成。
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