はじめに

このページでは、スマホの料金を劇的に安くしてくれるMVNOについて、箇条書き形式で淡々と説明していきます。

MVNOクイックリファレンス


MVNOとは?

Mobile Virtual Network Operatorの略で、日本語に訳すと「仮想移動体通信事業者」。

MNO(=Mobile Network Operator)からネットワークを借りてサービスする移動体通信事業者のこと。

MNOは、自前でネットワークを持っている通信事業者のことで、日本国内ではdocomo、au、Softbankとその傘下のY! mobileが該当する。

MNOは監督官庁である総務省からネットワークの開放を指示されていて、MVNOにほぼ原価でネットワーク接続を卸さなくてはならず、MVNOはこのルールを利用してMNOからネットワークを借りてサービスを提供している。

MVNOのビジネスモデル

MNOからネットワーク借りて、それを自身のお客さまに提供し、その対価としてお客さまから料金を徴収する。

MVNOはMNOから「帯域○○Gbpsあたり月額○○万円を支払う」ような契約でネットワークを借りるのが一般的。(後述するL2接続の場合)

一般的に、MVNOの料金プランは比較的シンプルで低廉なものが多い。

「月額○○円、○○GBまで速度無制限、超過した場合には通信速度は○○Kbpsに制限される。」のような料金プランが多い。

MNOが、お客さまが2年縛りで月額4000円程度の定額料金を支払うことを条件に携帯端末料金を割り引くのとは逆に、MVNOは2年縛り等の条件が付かない比較的低廉な月額料金でサービスを提供する。
その一方で携帯端末をユーザが用意しなくてはならなかったり、ユーザが同時購入した通信機器の価格を分割で月額料金に転嫁したりする。

大型家電量販店や、ISP、MNOの子会社等、様々な業種の企業が参入している。

MNOとの接続レイヤー

L3接続とL2接続の二種類がある。

L3接続は、MNO側がエンドユーザ向けに提供しているプランやサービスをMVNOの用いて料金を支払う方式で、エンドユーザへの料金決定権はMNO側にある。
 → ディズニーモバイル等。

L2接続はMVNOがMNO網に直接接続し、帯域等に応じてMNOに料金を払う方式で、エンドユーザへの料金決定権はMVNO側にある。

現在、日本国内でMVNOと呼ばれるものは、ほぼ全てL2接続。

MVNOが借りているMNOのネットワーク

MVNOのサービスエリアは、(MVNOがネットワークを借りている)MNOのサービスエリアと同じになる。

日本国内のMVNOは、ほぼすべてdocomoからネットワークを借りている。

唯一の例外はmineoで、こちらはauとdocomoからネットワークを借りている。(プランによって利用するMNOのネットワークが違う)

日本国内のMVNOのサービスエリアは、docomoのサービスエリアと同じと考えてよい。

通信機器の通信方式

2G(GSM、PDC)、3G(W-CDMA、CDMA2000)、4G(FD-LTE、TD-LTE)などがある。

通信速度や品質は「2G<3G<4G」の順。

日本国内では、2Gのサービスは終了済み。

3Gの通信方式については、docomo、SoftbankがW-CDMAを、auがCDMA2000を採用している。

日本国内でLTEといった場合、ほとんどがFD-LTE。

W-CDMAとCDMA2000には互換性がなく、後述するSIMロックフリー端末だったとしても、docomo、Softbank端末をauの3Gネットワークで使ったり、au端末をdocomo、Softbankの3Gネットワークで使ったりすることは不可能。

4GであるLTEには互換性があり、携帯端末が後述する周波数帯が対応していれば、docomoやSoftbank端末をauのネットワークで使ったり、その逆をすることも可能。

日本国内で販売中・稼働中の携帯端末は、3Gのみ対応、3G及び4G対応、4Gのみ対応の3パターンある。

3Gのみ対応は古めのスマートフォン、フィーチャーフォン(=ガラケー)または廉価スマートフォン。
3G及び4G対応は、docomoやSoftbankの現行のスマートフォン、auのXXL2?シリーズ。
4Gのみ対応は、auのXXV3?シリーズ。

周波数帯・通信バンド

無線通信に使われる周波数帯は、用途毎に総務省によって割り当てられている。

総務省から周波数帯を割り当てられているのはMNOで、MVNOはMVNOからネットワークを借りることで、間接的にMNOの周波数帯を使っている。

MNOが割り当を受けている周波数帯は、MNO毎に異なる。

携帯端末が通信に利用できる周波数帯は、機種によって異なる。

MVNOを使うときには、そのMVNOがネットワークを借りているMNOの周波数帯に対応した機器が必要。

ほとんどのMVNOがdocomoを使っているので、docomoの周波数帯に対応した機種が必要。

SIMロック

MNO及び携帯端末メーカによってスマホ等の機器に掛けられているロック機能のこと。

ユーザーロックとキャリアロックの2種類がある。

ユーザロックは、一度SIMを挿すとその携帯端末がそのSIMを覚えて、他のSIMを挿しても使えなくなる機能のこと。

ユーザロックがかかっているのは、日本国内では古めのau端末のみで、ISシリーズのスマートフォンが該当する。
(ISシリーズでも、SONY、PANTECH機ではかかっていないものもある)

ユーザロックは、auショップに持ち込むことで解除可能。(事務手数料が必要)

キャリアロックは、携帯端末を発売するMNO以外のSIMを、その携帯端末で使わせないようにロックする機能のこと。

総務省の指導により、2015/05以降にMNOが販売する携帯端末では、キャリアロックを解除できるようにすることが義務付けられた。

docomo端末については、従来からdocomoショップに持ち込むことにより、キャリアロックを解除できる。(事務手数料が必要)

docomoのネットワークを使っているMVNOのSIMは、ほとんどの場合docomoのSIMであるので、docomo端末であれば、キャリアロックを解除しなくても利用可能。

SIMロックフリー端末

上記のキャリアロックがかかっていない携帯端末、または設定等によりキャリアロックを解除した携帯端末のこと、単にSIMフリー端末とも呼ぶ。

一般的に、ユーザロックがかかっていない携帯端末をSIMロックフリー端末と呼ぶことはない。

使えるキャリアが限定されないため、MNOが販売する携帯端末より値段が高い。

AppleのiPhoneなどが良い例。これは携帯端末を販売するためのインセンティブを払うMNOの存在がないため。

ASUS、ZTE等の海外メーカを中心に、日本国内でも販売されている。

SIMの形状

通常SIM、microSIM、nanoSIMの3種類がある。

大きさは、「nanoSIM<mircoSIM<通常SIM」の順。

携帯端末によって使えるSIMの形状が違う。

nanoSIMは新しい携帯端末に多い、通常SIMは古い携帯端末やデータ専用端末に多い。

専用のアダプターを使うことにより、nanoSIMをmicroSIMや通常SIMのサイズに、microSIMを通常SIMの大きさにして使うことが可能だが、機種によって取り外しにくくなったりするので、玄人向け。

SIMの種類

MVNOがプラン毎に販売するSIMの種類で、データ専用SIM、SMS対応SIM、音声通話対応SIMの3種類がある。

SIMは厳密には貸与されている扱いであることが多いので、貸与や譲渡はNG。

データ専用SIMは、データ通信のみ可能。

SMS対応SIMは、データ通信に加えてSMSの送受信が可能。

音声対応SIMは、データ通信+SIMの送受信+音声通話が可能。

どのMVNOでも、月額料金は概ね「データ専用SIM<SMS対応SIM<音声通話対応SIM」の順。

データ専用SIMを使うと問題が発生する携帯端末がある。

発生する問題のうち、主要なものは以下の2つ。

アンテナピクト問題:携帯端末のアンテナ表示が、音声(一般的に3Gで行われる)の無線の強度を表示するように作られている場合で、データ専用SIMを使うと、データ通信ができるのにも関わらず圏外表示になる現象。

バッテリー持ち問題:携帯端末が音声通話用の通信チャネルをつかめない場合に、それをつかもうと試み続けることにより、電池もちが著しく悪くなる現象。セルスタンバイ問題とも呼ばれる。

データ専用SIMでこれらの問題が発生するのは、MNOが販売する携帯端末(主にスマホ)は、音声通話の契約が前提であるため、データ専用に使うことを想定していない作りになっていることが原因。
但し、こういった利用を考慮して作られた携帯端末もあり、メーカや機種によって発生したりしなかったりするのでややこしい。

MVNOで使えるサービス

基本的に、キャリアフリーなサービスは利用可能。

AppStore(iPhone/iPad)

元々キャリアフリーで使える。MVNOでも然り。

Google Playストア(Android)

携帯端末が対応していれば利用可能。非常に廉価なスマートフォン/タブレットでは非対応になっているものもあるので注意。

おサイフケータイ

携帯端末が対応していれば利用可能。
SIMロックフリー端末ではおサイフケータイに対応しているものは無い為、MNOが販売している携帯端末を使う必要がある。

緊急地震速報

MNOのネットワークを利用している携帯端末に一斉通知されるため、MVNOを使っていても通知される。

MVNOで使えないサービス

各キャリアが提供するサービス。

docomoのdメニュー、auのスマートパス、○○パス等。

MVNOに乗り換える手順

利用する携帯端末を用意する。

新規に携帯端末を購入するか、既に持っている携帯端末を使うかのいずれかで用意する。

前者の場合、ASUS zenfoneなどのSIMロックフリー端末や、iPhone/iPadなどのApple製品(SIMロックフリー版)、各MVNOが独自に用意する携帯端末を購入するのが最も難易度が低い。
一方、回線契約なしにMNOのショップで新品の携帯端末を買うのは難易度が高い。

後者では、docomoのAndroid端末やdocomoのiPhoneならば流用可能だが、au端末やSoftbank端末ではSIMロック解除の手続きが必要だったり、対応している通信方式や周波数帯の問題がありうまく使えないことがあり、難易度が高い。

利用する携帯端末の形状にあったSIMを手配する。

利用する携帯端末にあった形状の、用途に応じたプランのSIM(データ専用SIM、SMS対応SIM、音声通話対応SIM)を選ぶ。
前述の通り、データ専用SIMでは問題が発生する携帯端末もあるため、余程のことがない限りはSMS対応SIMか、音声通話対応SIMを選ぶとよい。

用意したSIMを挿し、携帯端末を設定する。

携帯端末の裏蓋をはがしたり、スロットカバーを開けてSIMを挿す必要あり。

携帯端末の設定をする。

携帯端末内の設定画面から、接続先ネットワークの設定と、APNの設定を行う。
接続先ネットワークは、MVNOが借りているMNOのネットワークを指定する。
APNは各MVNOのホームページに記載があるので、それをそのまま入力する。


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